介護事業所向け
感染症への備え
更新日:2025年12月25日
高齢者施設における安心・安全な結核対応ガイド
高齢者施設での結核対策は、利用者や職員の健康を守るため非常に重要です。公益財団法人結核予防会 結核研究所の情報を基に、結核の基礎知識と施設での具体的な対応方法をまとめました。
1. 結核とは
- 結核は空気中の結核菌を肺に取り込むことで感染し、主に肺に病気を起こす感染症です。
- 正しく理解し、適切に治療すれば治る病気ですが、高齢者を中心に毎年患者が発症しています。
- 結核菌は非常に小さく(1~4ミクロン)肺の奥深くに入り感染します。
2. 結核の感染経路と特徴
- 感染は主に患者の咳やくしゃみで飛散した結核菌を吸い込むことによります。
- 結核は「感染」と「発病」が異なり、感染しても免疫力で抑えられ発病しない場合が多いです。
- 発病した人だけが他者へ感染のリスクがあります。
3. 高齢者の結核の特徴
- 高齢者は免疫力が低下しやすく、発病リスクが高い。
- 肺結核の症状は風邪のように軽微で、咳やたんがなく、微熱や体重減少、食欲不振などが続く場合があります。
- 症状が目立たず発見が遅れやすいので、日常の健康観察と胸部X線検査などの定期検診が重要です。
➡ 「結核の定期健康診断について」 【日向保健所】結核・感染症
➡ 定期健康診断報告書について 定期健康診断報告書(PDF:136キロバイト)
4. 施設で結核が疑われた場合の対応
- 結核疑いの利用者には不織布マスクの着用を促し、他の利用者と接触を減らすため個室隔離を推奨。
- 介護職員は医療用N95マスクを着用し、感染拡大防止に努める。
- 施設スタッフは保健所などの専門機関に相談し、適切な対応策を協議する。
5. 結核治療について
- 結核の治療は複数の薬を6~9か月間継続的に服用することが必要。
- 治療途中で症状が改善しても自己判断で薬を中断せず、医師の指示に従うこと。
- DOTS(直接服薬確認)体制で服薬の支援と管理を行う。
6. 感染予防と日常生活での注意点
- 飲食器、衣類、寝具などの消毒は必要なく、通常の清掃や洗濯、換気で十分。
- 部屋の換気を良くし、空気の入れ替えを心掛ける。
- 施設職員は年1回以上の胸部X線検査を受けるなど自身の健康管理に努める。
7. 施設職員の健康管理
- 糖尿病、慢性腎不全、免疫抑制剤使用中など免疫力低下のある職員は特に注意が必要。
- 体調不良時は早めに医療機関受診や保健所へ相談し、必要な検査を受ける。
8.まとめ
高齢者施設での結核対応は、早期発見と適切な感染対策、治療支援が重要です。施設職員は結核の基礎知識を持ち、日常の健康観察と感染防止に努めてください。結核が疑われる場合は速やかに専門機関と連携し、利用者・職員双方の安全確保に徹してください。
詳細な資料やリーフレットについては、公益財団法人 結核予防会 結核研究所のホームページをご参照ください。
(参考)
公益財団法人 結核予防会 結核研究所
https://jata.or.jp/outline/organization/support/
「介護職のあなたにこれだけは知ってほしい“結核のこと"」
https://jata.or.jp/wp-content/themes/jata/pdf/outline/support/Care_worker_color.pdf
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