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人材確保・育成支援

更新日:2025年6月6日

実務者研修における外国人受講者の受入環境整備に関する調査研究事業の紹介

厚生労働省が令和6年度老人保健健康増進等事業において実施した「実務者研修の実態把握に関する調査研究事業」および「外国人受講者の受入環境整備に関する調査研究事業」について報告書、ガイドラインがまとめられました。
介護福祉士実務者研修受講のポイント及び外国人受講者向けのガイドライン等が掲載されていますので、受講を検討される事業所等におかれましては、参考にしてください。

報告書・手引き等
手引きの一部抜粋

次の内容は「外国人受講者に向けた介護福祉士実務者研修運営の手引き」の一部を要約・抜粋したものです。詳細な内容について手引きをご確認ください。

外国人受講者を受け入れる際の留意点
受講者の個別性を踏まえた対応の必要性

外国人受講者は介護に関する知識や日本語能力にばらつきがあり、特に「介護過程」や「人間関係とコミュニケーション」などの科目で日本人より得点が低い傾向があります。一方、「社会の理解」など暗記中心の科目は留学生も高得点を取ることがあります。個人ごとに得意・不得意や日本語能力が異なるため、それぞれの状況を把握し、適切に指導することが重要です。

外国人受講者の日本語能力

外国人介護人材が実務者研修を受講する際、指導者は「受講者が理解できる日本語」で教える必要があります
多くの外国人介護人材は日本語能力試験(JLPT)N4レベル以上が求められますが、N4やN3の合格は180点満点の90~95点で可能なため、公式問題集の内容すべてを理解しているわけではありません。また、実際の日本語能力には個人差が大きく、受講者の日本での生活や仕事経験によっても異なります。

したがって、指導時には受講者と対話し、日本語力を把握した上で個々に合わせた対応が重要です。ただし、全員が介護現場で働いているため、介護に関する用語にはある程度慣れていると考えられます。

やさしい日本語とは

介護専門知識の学習は外国人介護人材にとって日本語面で負担が大きいため、効率よく学べるよう配慮が必要です。講義で注意すべきポイントは以下の通りです。

  1. 話し方の工夫
    • 「ゆっくり話す」ことが大切だと思われがちですが、単語ごとに不自然な間(ポーズ)を入れると、かえって聞き取りにくくなる場合があります。
    • 普段より少しゆっくりめを意識しつつ、文と文の間で自然に間を取ることが効果的です。
    • また、伝えたい言葉を強調し、抑揚をつけて話すことで、要点がより明確に伝わります。
  2. 標準語の必要性
    • 介護現場では、必ずしも標準語を使う必要はありません。
    • 受講者の多くが同じ地域で働いている場合、普段使われている地域の言葉で説明しても理解に問題がないことが多いです。
  3. 外国人が理解しにくい日本語への配慮
    • 外国人の受講者が日本語を理解しやすくするためには、以下の点に配慮すると効果的です。
    • 長い文は避ける
      • 例:「利用者様が転倒しないように、環境を整えておきましょう。」 →「転倒しないように、部屋を片付けます。」
      • 長い説明や複数の情報を一文に詰め込むと、理解が難しくなります
    • 文末を単純化する
      • 例:「~していただけたらと思います。」→「~してください。」
      • 例:「~な人がいらっしゃいます。」→「~な人がいます。」
      • 丁寧すぎる表現や敬語を簡潔な表現に置き換えることで、分かりやすくなります。
    • 接続詞・接続表現を減らす
      • 「いいですか、皆さん、例えば、ここで何がいいたいかというとですね・・・」など多くの接続詞や前置きがあると、文が長くなり混乱を招くことがあります。
      • 出来るだけ簡潔な表現を心がけましょう。
    • 指示代名詞は避ける
      • 例:「これを片付けてください。」→「テーブルの上の本を片付けてください。」
      • 「この」「その」「あの」などの指示代名詞だけでは何を指しているか分かりにくい場合がありますので、具体的な名詞を使って説明すると親切です。
    • 文と文の間に不要な言葉を入れない
      • 例:「あの~」「ええと」などの言葉は、意味が分からないまま混乱を招くことがあるため、できるだけ使わないようにしましょう。
    • 否定の二重表現を避ける
      • 例:「しなくてもよくないですか?」→「しなくてもいいです。」
      • 否定が重なると意味が分かりにくくなるため、単純な表現が望ましいです
  4. まとめ(介護専門指導の工夫)
    • 外国人受講者が介護専門の教科書を読む際は、専門用語や難しい語彙が多いため、学習のハードルが高くなりがちです。そのため、専門用語を使用する場合は、平易な日本語で説明したり、具体的な例を挙げて理解を促すことが大切です(例:「嚥下」→「食べ物や飲み物を飲み込むこと」など)。また、図やイラスト、写真、動画など視覚的な教材を併用することも有効です。
    • 講義の際には、受講者が分からないことをそのままにしないよう、自由に質問しやすい雰囲気を作り、対話を通じて理解度を確認しながら進めていただくことが、効果的な学習指導につながります。
対面式講義における指導のポイント
理解度を確認しながらの指導

対面式講義においては、外国人受講者が講義の理解ができているかを、講師が確認しながら進めていくことが重要です。

確認方法 確認内容
顔色や反応の確認

一部の外国人受講者は、「わかりましたか?」と聞かれても、本当はわかっていなくても「わかりました」と答えることがあります。

質問だけに頼らず、説明中に受講者のうなずきや表情などの反応も確認しましょう。もし理解できていない様子が見られたら、質問をしたり発表してもらったりして、どの部分が分からないのか詳しく確認することが大切です。

文章の音読

文章を音読する際、意味を理解していない場合、途中でつっかえたり、行を飛ばして読む、機械的に平板に読むなどが想定される。

質問への回答

「はい/いいえ」といった選択式回答でなく、意味を説明してもらうなど、内容理解を問う聞き方で質問することで、理解状況の確認が可能。

確認テスト等の実施

重要な事柄は確認テストを実施し、理解度をチェックする。講義内に行わず、課題形式にした場合、理解していないにもかかわらず調べて回答してくる場合も想定される。講義中に教員が確認しながら対応するとよい

担当課 健康長寿部 高齢者あんしん課
所在地 〒883-8555 宮崎県日向市本町10番5号
電話 0982-66-1022(直通:高齢者支援係、地域包括ケア推進係)
0982-66-1023(直通:介護給付係・介護認定係)
FAX 0982-56-1423
メール kourei@hyugacity.jp