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更新日:2025年11月5日
介護現場におけるハラスメント対策のポイント
介護現場では、利用者やその家族等からの身体的暴力、精神的暴力、セクシュアルハラスメントなどのハラスメントが発生しています。これらは介護職員の心身の安全を脅かすだけでなく、介護サービスの質や継続的な利用にも影響を与えるため、組織的かつ継続的な対策が必要です。
🌼ハラスメントとは何か?
| 身体的暴力 | 暴力行為(例:蹴る、物を投げる、唾を吐くなど) |
| 精神的暴力 | 大声で怒鳴る、理不尽な要求、特定職員への嫌がらせなど |
| セクシュアルハラスメント | 性的な言動や身体接触、性的な話題の強要など |
※認知症等の病気や障害による行動(BPSD)はハラスメントとは区別し、適切な医療的ケアが必要です。
🌼ハラスメント対策の基本的な考え方
| 組織として取り組むことが重要 | ハラスメントは個人の問題ではなく、施設や事業所全体の問題として捉え、方針やマニュアルを整備します。 |
| 初期対応の迅速さが鍵 | 早期に適切な対応を行わなければ、状況が悪化し、さらなるハラスメントを招く恐れがあります。 |
| 要因分析と再発防止 | 発生した事案は、客観的に事実確認を行い、要因を分析。施設全体で共有し、再発防止策を検討します。 |
| サービスの質の向上と信頼関係の構築 | 利用者や家族との信頼関係を築き、質の高い介護サービスを提供することがハラスメント予防につながります。 |
| 一人で抱え込まない環境づくり | 職員が相談しやすい職場環境を整え、管理者も過度な負担を負わないよう組織的な支援体制を構築します。 |
| 地域との連携 | 必要に応じて、医師、ケアマネジャー、地域包括支援センター、法律の専門家、警察等と連携し、適切な対応を行います。 |
🌼施設・事業所が具体的に取り組むべきこと
基本方針の策定と周知
- ハラスメントを許さない組織の姿勢を明確にし、全職員に周知します。
- 利用者や家族にも、ハラスメント防止の趣旨や契約解除の可能性などを適切に説明します。
マニュアルの作成と共有
- 発生時の対応フローや相談窓口、管理者の役割を明確にしたマニュアルを作成し、職員全員に共有します。
相談しやすい職場環境の整備
- 相談窓口を設置し、職員が気軽に相談・報告できる体制を作ります。
- 日常的に職員同士のコミュニケーションを促進し、変化に気づきやすい環境をつくります。
利用者・家族等に対する周知
- 契約時やサービス開始時に、ハラスメントの具体例や対応方針を分かりやすく説明します。
- 柔らかい表現やイラストを用いた案内を活用し、信頼関係を損なわないよう配慮します。
職員研修の実施
- 定期的な研修を行い、ハラスメントの理解、予防策、対応方法を職員に周知徹底します。
- 研修には事例共有や意見交換の場を設け、職員の意識向上を図ります。
個人情報の適切な管理
- ハラスメントに関する情報は、個人情報保護法に基づき適切に管理し、必要に応じて関係者と共有しますが、被害者の精神的負担を最小限に抑える配慮を行います。
🌼職員が日頃から意識すべきチェックポイント
サービス提供前に確認すること
- ハラスメントのリスクとなりうる環境や利用者・家族の状況を把握しているか。
- 介護保険サービスの提供範囲や契約内容を理解し、利用者・家族と認識を共有しているか。
- 施設・事業所の規程やマニュアルを熟知しているか。
- 利用者や家族の健康状態や生活状況、介護負担等の情報収集を行っているか。
サービス提供時に注意すること
- 利用者や家族を尊重し、自立支援を意識したケアを行っているか。
- 清潔感のある適切な服装・身だしなみを心がけているか。
- 個人情報の提供を求められても、業務に関係のない情報は適切に断っているか。
- 契約範囲外のサービスの要求に対して、理由を説明し断れているか。
- 要望や苦情に対し、冷静かつ誠実に対応し、施設長・管理者に報告しているか。
- ハラスメントを受けたと感じたら、すぐに上長や相談窓口に報告しているか。
- ハラスメントに関する事例を職場で共有し、意見交換しているか。
🌼ハラスメントが発生した場合の対応
- 職員の安全を最優先にし、速やかに上長や管理者に報告します。
- 状況を正確に把握し、職員への心のケアやフォローを行います。
- 行為者への対応や再発防止策を検討し、必要に応じて外部機関と連携します。
- 報告・対応のフローに沿って組織的に対応し、問題を職員だけで抱え込まない体制を保ちます。
🌼相談窓口と支援機関の紹介
- 施設・事業所内の相談窓口(管理者、相談担当者)
- 地域包括支援センター
- 法律相談(顧問弁護士、司法支援センター)
- 労働基準監督署、労働相談コーナー
- 警察の被害相談窓口
相談は早期に行うことで、より良い解決につながります。困ったときは一人で抱え込まず、必ず相談してください。
🌼おわりに
介護現場におけるハラスメントは決して許されるものではありません。職員の皆さんが安心して働ける環境を作り、質の高い介護サービスを継続的に提供できるよう、市としても支援してまいります。
日頃から本ページの内容を確認し、ハラスメントの予防と適切な対応にご協力ください。
【参考資料】
- 介護現場におけるハラスメント対策マニュアル(厚生労働省)
- 管理者向け研修のための手引き(厚生労働省)
- 職員向け研修のための手引き(厚生労働省)
- 介護現場におけるハラスメント対策(厚生労働省)
【事例集】
| 担当課 | 健康長寿部 高齢者あんしん課 |
|---|---|
| 所在地 | 〒883-8555 宮崎県日向市本町10番5号 |
| 電話 | 0982-66-1022(直通:高齢者支援係、地域包括ケア推進係) 0982-66-1023(直通:介護給付係・介護認定係) |
| FAX | 0982-56-1423 |
| メール | kourei@hyugacity.jp |