文字の大きさ

ホーム健康・医療・福祉年金・保険「介護保険」 > 外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点

年金・保険

介護保険

更新日:2025年4月22日

外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点

技能実習及び特定技能の在留資格で介護業務に従事する外国人について、令和7年4月より順次、一部の訪問系サービスに従事することが認められます。その際、受入事業者において遵守する必要がある事項等についてご案内します。
なお、EPA介護福祉士候補者に係る訪問系サービスへの従事については、厚生労働省による調整が終了し次第、改めて掲載します。

厚生労働省ホームページ・通知
外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点の一部抜粋

次の内容は厚生労働省通知の一部を要約・抜粋したものです。詳細な留意点については、通知文書をご確認ください。

基本的な考え方

外国人介護人材については、単なる日本人の労働力の穴埋めではありません。在留資格の趣旨を踏まえた上で、同等の技能や責任を持つ日本人と同様、同等以上の報酬を得ながらキャリアアップできる仕組みを整える必要があります。
なお、外国人介護人材が得る報酬の額については、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であることが、各在留資格に係る法令で定められています。

対象となる訪問系サービス

訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護及び介護予防・日常生活支援総合事業(同法に規定する第一号訪問事業に限る)

外国人介護人材が多様な業務を経験しながら、キャリアアップし、日本での就労に魅力を感じつつ継続して働くことができるようにしていくことが重要です。外国人介護人材のキャリアパス等にも十分留意しながら、介護福祉士の資格の取得支援を含め、受入事業者によるきめ細かな支援を行うようお願いします。

なお、障害福祉サービス等については、「障害福祉サービス等における外国人介護人材の訪問系サービス従事の留意点について(令和7年3月31 日付け社援発0331 第41 号、障発0331 第4号、こ支障第89 号)」にて留意点を記載しているため、障害福祉サービス等の訪問系サービスに従事させる場合には、同通知を参照ください。

遵守事項

介護職員初任者研修課程の修了などの要件を満たした上で、受入事業者に対しては、(1)~(5)の事項を適切に履行できる体制・計画等を有することについて、事前に巡回訪問等実施機関に必要な書類の提出を求めた上で、外国人介護人材の訪問系サービスの従事を認めています。

(1) 外国人介護人材への研修実施

訪問系サービスでは、自立支援の取り組みに加え、利用者個々の身体状況や居宅での生活実態等に即した対応が求められています。また、生活習慣に配慮しつつ、ケアマネジャーなどの多職種と連携しながら支援を行う必要があります。

そのため、受入事業者においては、訪問系サービスの基本事項や生活支援技術などの利用者の居宅において実施する事項に係る研修に加え、利用者・家族・近隣とのコミュニケーション(傾聴、受容、共感などのコミュニケーションスキルを含む。)や日本の生活様式など、利用者やその家族の生活習慣や利用者個々の状態に配慮したサービス提供を可能とするための研修を行うことが必要です

(2) 同行訪問等によるOJTの実施

最初から一人で利用者の居宅に訪問するのではなく、外国人介護人材が訪問系サービスの提供を一人で適切に行うことができるように、一定期間、サービス提供責任者や利用者を担当している先輩職員などが同行する必要があります。

同行訪問の回数や期間については、外国人材の実務経験等や能力等、面談の実施、日本語習熟支援などの配慮事項も踏まえて、受入事業者が個々に判断します。

同行訪問時における指導方法についても受入事業者が個々に判断しますが、(ア)初期においては見学を中心、(イ)徐々に対応できる業務を増やしていくよう役割分担の上で身体介護等の業務を行い、(ウ)最終的には外国人介護人材が中心にサービス提供を行い同行者が確認する、といった段階を踏むことが重要です。

(3) 外国人介護人材の意向確認、キャリアパスの構築

外国人介護人材がその能力を十分に発揮して介護現場で活躍するため、継続的な日本語学習や介護福祉士の資格取得に向けた国家試験の受験・合格の後押し、就労環境の整備等の様々な支援について、多様な主体が連携して取り組むことが重要です。

具体的には、あらかじめ従事させる業務の内容や注意事項等について丁寧な説明を行い、その意向を確認し、本人と十分にコミュニケーションをとった上で、外国人介護人材が習得すべき技能や目指すべき姿を明確にし、個人に沿ったキャリアパスを構築するよう支援が必要です。キャリアパスの実現に向け、多様な業務の経験や資格取得に向けた計画的な取組を含むキャリアアップ計画を、外国人介護人材と共同して策定する必要があります。

具体的なキャリアアップ計画の記載内容、提出時期、様式等については、別途通知します。

(4) ハラスメント対策

訪問系サービスには、利用者やその家族から介護職員に対するハラスメント行為が行われた際の発見が難しい等の課題があります。そのため、ハラスメントの防止や相談体制の構築などによる権利保護を十分に行う必要があります。具体的には、以下に掲げる対応のいずれも行うことが必要です。

  • ハラスメントを未然に防止するための対応マニュアルの作成・共有、管理者等の役割の明確化、ハラスメントが発生した場合の対処方法等のルールの作成・共有、利用者やその家族等に対する周知
  • ハラスメントが実際に起こった場合の対応として、当該ルールの実行、外国人介護人材が相談できる窓口の設置やその周知
(5) ICTの活用等による環境整備

負担軽減や訪問先で不測の事態が起こった際に適切に対応できるようにする観点から、コミュニケーションアプリの導入や日常生活や介護現場での困りごと等が相談できるような体制整備など、ICTの活用等も含めた環境整備を行うことが必要です。具体的な環境整備の内容として、以下に掲げる対応のいずれも行ってください。

  • 緊急時の連絡先や対応フローなどをまとめたマニュアルの作成
  • (1)で記載した緊急時を想定した研修の実施
  • 緊急時に他の職員が駆け付けられる体制の確保
  • サービス提供記録や申し送りについて職員全員で情報共有する仕組みの整備
その他外国人介護人材を訪問系サービスに従事させる際に求められる事項
(1) 外国人介護人材の実務経験等

介護事業所等での実務経験が1年以上ある外国人介護人材であることを原則とする

例外的に、実務経験が1年未満の外国人介護人材を訪問系サービスに従事させる際には、以下のア及びイの措置を講じること

  • ア 日本語能力試験N2相当など在留資格に応じて求められている日本語能力よりも高いレベルの能力を有する場合に限定する
  • イ OJTの同行訪問について、利用者ごとに以下のとおり実施する
    • 週1回のサービス提供の場合(※)には同行訪問を半年行う
    • ただし、利用者・家族の同意が得られる場合には、同行訪問を3か月行った上で、サービス提供時に見守りカメラを活用するなどICTを用いて常に事業所とやりとりができるようにすることで対応することも可能とする
(2) 外国人介護人材が訪問すること等についての利用者・家族への説明

利用者やその家族に対し、以下の点などについて書面を交付して説明し、当該利用者又はその家族に当該書面に署名を求めること(様式についても定めあり)

  • 外国人介護人材が訪問する場合があること
  • 訪問予定の外国人介護人材について実務経験等の要件を満たしていること(実務経験の期間等)
  • ICT機器を使用しながら業務を行う場合があること
  • 外国人介護人材の業務従事にあたって、不安なことがある場合に利用者又は家族から連絡するための事業所連絡先
外国人介護人材を訪問系サービスに従事させる際の配慮事項

受入事業者に対しては、以下の点についても配慮すること。

(1) 外国人介護人材の訪問先の選定

訪問先の選定に際して、ハラスメント等が発生しにくいようにすることに留意しつつ、利用者の健康状態・ADL・認知症の日常生活自立度・居住環境等といった利用者の状態像や周辺環境、利用者や家族の意向、外国人介護人材のコミュニケーション能力や介護の技術の状況・意向等を踏まえ、サービス提供責任者や事業者等が総合的に判断すること。その際、訪問先の選定の判断について、受入事業者において適切に記録を残すこと。

また、受入事業者は、利用者やその家族と介護職員の間でミスマッチが起こらないよう、利用者やその家族に対して事前に丁寧な説明を行うことが求められます。

同行訪問の期間中も、利用者や家族の意向を確認しつつ、良好な関係性が構築できるか、適切な支援が提供できるかについても判断する必要があります。

(2) 外国人介護人材の状況に応じたOJTの実施等

受入事業者が外国人介護人材に訪問系サービスを行わせる場合にあっては、具体的には、次のような措置を講じることとします。

  • 訪問系サービスに従事する外国人介護人材の実務経験や能力等に応じて、徐々に業務に慣れることができるよう、OJTの期間を通常より長くすることや、面談を定期的に行うこと、きめ細かな日本語の学習支援に取り組むことなど、サービス提供責任者等が特段の配慮を行うこととする
  • 当該外国人介護人材が適切に介護サービスの提供ができるよう、同行訪問の回数・期間をどう設定するかだけでなく、当該外国人介護人材の業務の従事状況を踏まえつつ、特に訪問系サービスの従事開始当初においては、事業所に戻ってきた後の指導・面談の機会を多く設定することや、日本語能力を踏まえて語学力に関する支援を手厚く行うことなど、それぞれの外国人介護人材の状況・能力等に応じた適切な支援を行うことが求められる
遵守事項等の確認について

巡回訪問等実施機関は、外国人介護人材を受け入れる事業所に対して、適切な受け入れ体制等を有していることを提出された書類に基づいて事前に確認し、全て確認できた事業所に対し、外国人介護人材ごとに適合確認書を交付することとなります。

また、巡回訪問実施機関の巡回訪問等を通じ、受け入れ体制等の確認をすることとなります。

施行日について

本通知の施行日は、在留資格に応じて次の通りです。

  • 技能実習:令和7年4月1日
  • 特定技能:「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令及び特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の規定に基づき介護分野について特定の産業上の分野に特有の事情に鑑みて当該分野を所管する関係行政機関の長が定める基準の一部を改正する告示」の施行日(令和7年4月21日)
担当課 健康長寿部 高齢者あんしん課
所在地 〒883-8555 宮崎県日向市本町10番5号
電話 0982-66-1022(直通:高齢者支援係、地域包括ケア推進係)
0982-66-1023(直通:介護給付係・介護認定係)
FAX 0982-56-1423
メール kourei@hyugacity.jp