所在地 / 東郷町山陰丁1457番地乙12
指定年月日 / 昭和46(1971)年06月11日
天文18年(1549)、願主の天氏中俣大炊左衛門尉重昌が、一族の無病息災などの願いをこめて冠嶽三所大権現に奉納したもので、在銘鐘の中では南九州で最も古いものです。古くから鋳物の産地として有名な大分県大分市駄原(だのはる)で造られています。注目すべきは、鐘銘の「日州新納院山毛保」です。新納院は、平安時代に児湯郡域を中心に開発され、のちに荘域を臼杵郡域まで広げたことが知られる荘園です。このことから、16世紀にはこの地が山毛(やまげ)と表記され、新納院(にいろいん)に含まれていたことがわかります。現在この梵鐘は、宮司であった寺原家により代々大切に受け継がれています。本県の中世史を理解するうえで欠くことのできない貴重な資料です。
所有者 / 羽坂区
整理番号 / 8