日向市文化財

市指定文化財

有形文化財(書跡) 木喰行道書『利剣六字名号』

所在地 / 日向市大字平岩328番地平岩地蔵堂
指定年月日 / 昭和58年2月16日

 本名号軸は、全長3.42メートル、幅56センチメートルを測る大幅である。
 書体は、双鉤填墨体で、筆端を剣先のように鋭く尖らせている。このような書体は、降魔の呪力をもつと言われており、密教家や遊行者が、さかんに使用していたものである。本名号軸は、中央に「南無阿弥陀仏」の六文字を配し、その中を神仏名や経文、和歌、真言種子などで埋めている。
 題目の下位には、寛政3年(1791)8月3日の紀年と「三界無庵」「日本廻国」の文字、木喰行道の署名とテンタクル状の花押、落款などがある。本来、このような名号は、祈祷会や各種の法会、念仏会などの際に主尊として利用されたと考えられており、当時の庶民信仰の様相をしめす貴重な史料とも言える。
 ちなみに、本名号が書かれた時期は、木喰が日向国分寺の再興に尽力していた頃である。

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