所在地 / 大字富高字川添
指定年月日 / 昭和60(1985)年05月31日
総高82cmを測るもので、左手に水瓶を持つ立像です。頭部から顔部にかけて磨滅がみとめられます。かつて子どもたちが堂の近くの川にこの像を浮かべて遊んでいたと伝わっており、その際に破損したと考えられます。全体的に重量感がある反面、粗雑な印象も与えますが、日向国を去った後に作られ始める「微笑仏」以前の木喰彫刻を知る上で欠くことのできないものです。背面には墨書の痕跡がみとめられ、「天下安○」「日本廻○」等の文字が読み取れますが、全体の判読は困難となっています。顔部に見られる頬や口元の仕上げ、それに法衣の形状などから、住職を務めていた日向国分寺の再建に奔走する寛政3年(1791)から国分寺を去り帰郷の岐路につく同9年(1797)の間に彫刻された作品と推定されています。
所有者 / 西川内区
整理番号 / 36