所在地 / 大字平岩244番地
指定年月日 / 昭和60(1985)年05月31日
総高56cmを測る立像で、乳児を抱いていることから、女神像と考えられます。表情はいわゆる忿怒(ふんぬ)の相で、乳児に天然痘の病魔を寄せつけまいとする厳しいものですが、口元や頬の肉付きには、淡い慈悲の相も感じられます。背面には墨書があり、「ホウソ神」の銘や木喰の著名、寛政9年(1797)4月18日の紀年などが見られます。木喰行道は10年間の滞在を終えて日向国を去る際、寛政9年4月13日から24日まで、以前逗留した平岩の伊八の家に留まっていることから、その際に彫刻されたと思われます。
日向国では江戸時代後期に天然痘が流行した記録があることから、当時の世相や庶民信仰が表れた作品といえます。
所有者 / 個人
整理番号 / 35