所在地 / 大字平岩328番地 平岩地蔵堂
指定年月日 / 昭和58(1983)年02月16日
木喰行道は、山梨県に生まれ22歳で出家したのち、日本各地を行脚し仏像や書画を残した修行僧です。彼は生涯で3度平岩を訪れており、本像は最初に日向国入りした天明8(1788)年に作成されました。総高88cmを測るもので、頭部から胸部にかけては武装神像として兜や鎧をまとっていますが、表情は優しい慈悲相が表現されています。背面には、梵字の地蔵真言や「三界無庵」「日本回国」等の文字、それに天明8年4月14日の紀年が墨書されています。木喰行道は、同年4月11日に平岩へ来て、5日間ほど伊八一族の家に逗留したことが、彼の日記『南無阿弥陀仏国々御宿帳』に記されていますが、その間にこの像を彫刻したものと思われます。彼の足跡と当時の人々の信仰を示す貴重な作品です。
≪刊行報告書≫
・『昭和59年度 日向市文化財調査報告書』1984、日向市教育委員会
所有者 / 平岩地蔵尊奉賛会
整理番号 / 33