日向市文化財

国指定文化財(National Designated Cultural Assets)特別天然記念物

カモシカJapanese Serow

  • カモシカその1
  • カモシカその2
  • カモシカその3

所在地 / 東郷町山陰〜下三ケ(地域を定めず)
指定年月日 / 昭和30(1955)年02月15日

 偶蹄目ウシ科ヤギ亜科のニホンカモシカは日本の固有種です。中国地方を除く本州、四国、九州の30都府県で生息が確認されており、このうち九州では、大分県、熊本県、宮崎県の県境付近の山地に分布しています。狩猟により数が激減し保護の対象となった歴史を持っており、昭和9年に国の天然記念物に指定された後、昭和30年には国の特別天然記念物に指定されました。九州の個体群については、環境省のレッドリストにて「絶滅のおそれのある地域個体群(地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの)」に掲載されています。
 特徴としては、急峻な山の斜面でも転ぶことなく歩くことができる太く短い四肢や、生え変わることのない黒い円錐形の角を雌雄ともに持っています。また、群れではなく単独もしくは親子2頭で行動し、木の葉や草を採食します。目の下から出る分泌物を木の枝や葉にこすり付けることで縄張りを示して、同性の個体を排除し、10月から11月にかけて縄張りが重なる雌雄で交配すると、5〜6月に1頭を出産します。
 数が減少している原因としては、ニホンジカの増加によって生息環境が脅かされていることや、疥癬による病死などが挙げられています。日向市では、東郷町の冠岳〜西林山〜下渡川にまたがる尾鈴連山にて、フンの跡や食害、目撃情報などで生息が確認されています。

整理番号 / 2

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