○日向市議会情報公開条例
平成13年12月21日
条例第35号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 会議の公開及び情報公開の総合的推進(第5条・第6条)
第3章 公文書の開示(第7条―第19条)
第4章 審査請求
第1節 諮問等(第20条)
第2節 情報公開審査会(第21条―第25条)
第5章 補則(第26条―第29条)
附則
日本国憲法第92条の「地方自治の本旨」は「団体自治」と「住民自治」という二つの原理からなる。地方自治をさらに拡充するためには、なによりも住民への情報の提供、公開が不可欠である。
近年の社会経済状況の著しい変化を背景に、地方分権を推進する法律が施行され、自治体の自立が重要な課題となってきた。
そのような時代の要請に的確に対応し、議会が市民の信託に充分応えていくには、議会情報に対する市民の知る権利を保障し、議会の説明責任を明らかにして、積極的に情報公開を推進し、常に議会の活性化を図る努力が必要である。
このような認識に立ち、地方分権の時代にふさわしい市民本位の議会を実現するためこの条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨にのっとり、日向市議会(以下「市議会」という。)に関する市民の知る権利を保障し、かつ、市民に対する説明責任を明らかにして、個人情報の保護を図りつつ、情報公開を総合的に推進することにより、市民の市議会に対する理解及び市政への参加を一層促進し、もって公正で広く開かれた市議会を実現するとともに市民生活の向上に資することを目的とする。
(1) 公文書 日向市議会議員(以下「議員」という。)及び日向市議会事務局(以下「議会事務局」という。)の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、議員及び議会事務局の職員が組織的に用いるものとして、日向市議会議長(以下「議長」という。)が管理しているものをいう。
(2) 開示 閲覧に供し、又は写しを交付することをいう。
(市議会の責務)
第3条 市議会は、公文書の開示を請求する市民の権利が保障されるようにこの条例を運用するものとする。この場合において、市議会は、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。
(利用者の責務)
第4条 この条例の定めるところにより公文書の開示を受けたものは、これによって得た情報を適正に使用しなければならない。
第2章 会議の公開及び情報公開の総合的推進
(会議の公開の推進)
第5条 市議会は、次に掲げる会議を公開することはもとより、その他の会議についても、市民への積極的な公開に努めるものとする。
(1) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第115条第1項の規定により公開する会議
(2) 日向市議会委員会条例(昭和34年日向市条例第1号)第18条第1項の規定により公開する常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)
(情報公開の総合的な推進)
第6条 市議会は、この条例に定める公文書の開示のほか、情報の提供その他情報公開に関する施策の充実及び情報提供基盤の整備を図り、情報公開の総合的な推進に努めるものとする。
2 市議会は、会議録、委員会記録、市議会の調査活動に係る報告書等について提供に努めるものとする。
3 市議会は、広報紙、新聞、情報通信等の多様な媒体を積極的に活用し、情報提供の推進に努めるものとする。
第3章 公文書の開示
(開示を請求できるもの)
第7条 何人も議長に対し、市議会の保有する公文書の開示を請求することができる。
(開示請求の手続)
第8条 前条の規定により公文書の開示を請求しようとするものは、次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を議長に提出しなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、代表者の氏名及び事務所又は事業所の所在地)
(2) 開示を請求しようとする公文書を特定するために必要な事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、議長が定める事項
2 議長は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示を請求したもの(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、議長は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の定めるところにより、開示することができないとされている情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の定めるところにより、何人でも閲覧することができる情報
イ 公表することを目的として市議会が作成し、又は取得した情報
ウ 法令等の規定により行われた許可、認可、届出その他これらに類する行為に際して市議会が作成し、又は取得した情報であって、開示することが公益上必要であると認められるもの
エ 人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
オ 当該個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報に含まれる当該公務員の職及び氏名で、開示することにより当該公務員又はその家族の生命、身体、健康又は生活の保護に支障が生ずるおそれのないもの
(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより当該法人等又は当該個人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある危害からの人の生命、身体又は健康を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
イ 違法又は不当な事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある支障から人の生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
(4) 公にすることにより、人の生命、身体、財産等の保護、犯罪の予防その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずると認められる情報
(6) 市議会の事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げる事項に該当するもの、その他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれがあると認められる情報
イ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められる情報
(7) 議会事務局の職員が市議会以外の市の機関から取得した公文書に記録された情報であって、日向市情報公開条例(平成12年日向市条例第46号。以下「市公開条例」という。)第7条各号のいずれかに該当するもの
(部分開示)
第10条 議長は、開示請求に係る公文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
(公益上の理由による裁量的開示)
第11条 議長は、開示請求に係る公文書に不開示情報(第9条第1号に該当する情報を除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該公文書を開示することができる。
(公文書の存否に関する情報)
第12条 開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、議長は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する措置)
第13条 議長は、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し必要な事項を書面により通知しなければならない。
2 議長は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(第三者保護に関する手続)
第17条 開示請求に係る公文書に市、国、独立行政法人等、他の地方公共団体、地方独立行政法人及び開示請求者以外の者(以下この条、第20条第2項第3号及び第20条の2において「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、議長は、開示決定等に先立ち、当該情報に係る市以外のものに対し、開示請求に係る公文書の表示その他議長が定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
(2) 第三者に関する情報が記録されている公文書を第11条の規定により開示しようとするとき。
3 議長は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられたものが当該公文書の開示に反対の意思を表示した意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示をする日との間に少なくとも60日間を置かなければならない。この場合において、議長は、開示決定後直ちに反対意見書を提出したものに対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示をする日を書面により通知しなければならない。
(開示の実施)
第18条 公文書の開示は、議長が第13条第1項の規定により通知する書面で、指定する日及び場所において行う。
2 開示の方法は、文書、図画又は写真については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して議長が定める方法により行う。
3 議長は、開示請求者の求める方法の公文書の開示により、当該公文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときは、当該公文書の写しによりこれを行うことができる。
(費用の負担)
第19条 開示請求による公文書の開示に係る手数料は、無料とする。
2 この条例の規定に基づく公文書の写しの交付を受けようとするものは、当該写しの交付に要する費用を負担しなければならない。
第4章 審査請求
第1節 諮問等
(審査会への諮問)
第20条 開示決定等又は開示請求に係る不作為について、行政不服審査法(平成26年法律第68号。以下「法」という。)による審査請求があったときは、議長は、当該審査請求が不適法であるとして却下する場合を除き、遅滞なく第21条に規定する日向市議会情報公開審査会に諮問し、その答申を尊重して当該審査請求に対する裁決を行わなければならない。
2 前項の規定による諮問は、法第9条第3項において読み替えて適用する法第29条第2項の弁明書及び法第30条第1項に規定する反論書並びに同条第2項に規定する意見書の写し(反論書及び意見書の写しにあっては、提出があった場合に限る。)を添えてしなければならない。
3 開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、法第9条第1項本文の規定は、適用しない。
第2節 情報公開審査会
(設置等)
第21条 前条の規定による諮問に応じて審議するため、日向市議会情報公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、前項に規定する審議のほか、情報公開制度に関する重要事項について、議長の求めに応じて意見を述べることができる。
(委員)
第22条 審査会は、情報公開制度に関して優れた識見を有する者のうちから、議長が委嘱する委員5人以内をもって組織する。
2 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(審査会の調査権限)
第23条 審査会は、必要があると認めるときは、議長に対し、審査請求のあった開示決定等に係る公文書の提示を求めることができる。この場合において、議長は、公文書の提示を拒むことはできない。
2 前項に定めるもののほか、審査会は、審査請求に係る事件に関し、審査請求人、参加人(法第13条第4項に規定する参加人をいう。)又は議長(以下「審査請求人等」という。)に意見書又は資料の提出を求め、必要な調査をすることができる。
(審査会における事件の取扱い)
第24条 審査請求人等は、審査会に対し、口頭で意見を陳述することができる。ただし、審査会がその必要がないと認めるときは、その陳述を聴かずに答申をすることができる。
2 審査請求人等は、審査会に対し、意見書又は資料を提出することができる。
3 審査請求人等は、審査会に対し、審査会に提出された意見書又は資料の閲覧を求めることができる。この場合において、審査会は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときを除き、当該閲覧を拒むことができない。
4 前3項の求めに対する処分については、審査請求をすることができない。
5 審査会の審議は、非公開とする。
(審査会の組織、運営等)
第25条 前4条に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、議長が別に定める。
第5章 補則
(他の法令等との調整等)
第26条 この条例は、他の法令等の規定により議長に対し公文書の閲覧若しくは縦覧又は謄本、抄本その他写しの交付を求めることができる場合における当該公文書については、適用しない。
(公文書の管理)
第27条 議長は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理するものとする。
2 議長は、公文書の検索に必要な目録等を作成し、一般の利用に供するものとする。
(運用状況の公表)
第28条 議長は、毎年度1回、市議会におけるこの条例の運用状況について一般に公表するものとする。
(委任)
第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が定める。
附則
(施行期日等)
第1条 この条例は、平成14年4月1日から施行する。
(経過措置)
第2条 この条例は、次に掲げる公文書について適用する。
(1) 平成13年4月1日(以下「適用日」という。)以降に作成し、又は取得した公文書
(2) 適用日前に作成し、又は取得した公文書であって、その整備及び目録の作成が終了したもの
(日向市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
第3条 日向市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和41年日向市条例第28号)の一部を次のように改正する。
別表中「
情報公開審査会委員 | 日額 | 6,400円 |
」を「
情報公開審査会委員 | 日額 | 6,400円 |
日向市議会情報公開審査会委員 | 日額 | 6,400円 |
」に改める。
(東郷町の編入に伴う経過措置)
第4条 東郷町の編入の日(以下「編入日」という。)前に、東郷町情報公開条例(平成13年東郷町条例第1号。以下「東郷町条例」という。)の規定により東郷町議会に対してなされた公文書の開示請求に係る処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた処分、手続その他の行為とみなす。
2 編入日前に、東郷町条例の規定により東郷町議会に対してなされた公文書の開示請求に基づき公文書の写しを交付する場合の当該公文書の写しの作成及び送付に要する費用の負担は、前項の規定にかかわらず、東郷町条例の例による。
附則(平成18年2月10日条例第34号)
この条例は、平成18年2月25日から施行する。
附則(平成23年3月18日条例第13号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成27年9月18日条例第30号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成28年2月22日条例第20号)
(施行期日)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 改正後の日向市議会情報公開条例第4章の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後にされた日向市議会情報公開条例第13条第1項及び第2項の決定(以下「開示決定等」という。)又は同条例第7条に規定する請求(以下「開示請求」という。)に係る不作為に係る審査請求について適用し、施行日前にされた開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る不服申立てについては、なお従前の例による。
附則(平成30年9月25日条例第27号)
この条例は、公布の日から施行する。