広報ひゅうが平成28(2016)年8月号
細島の関本勘兵衛家住宅

明治12(1879)年来の歴史を持つ関本勘兵衛家住宅
細島は古くから東九州の交易の重要な中継拠点として栄えてきた港町で、今でも旧道(県道23号)沿いには、江戸時代から昭和40(1965)年代にかけて形作られた町並みが残されています。
なかでも吉野川区に残る「関本勘兵衛家住宅」は、敷地や建物の配置、建築技術やその意匠などに昔ながらの「町屋」の様式が残されています。
このため市では、平成8(1996)年度に調査を実施し、平成9年に市の有形文化財に指定しました。
関本家は江戸時代から続く細島屈指の商家で、屋号を「苫屋(とまや)」と言い、もとは、山口県の下関から移ってきたと伝えられており、当主は代々「関本勘兵衛」を名乗っています。
江戸期には細島東部の八坂区で商いをしていましたが、明治10(1877)年の西南戦争後に現在の場所に移り、味噌や醤油の商いを中心に水道管や水がめの販売も手掛けていました。
現在の建物は明治12(1879)年の建築ですが、建物の構造やデザインに、江戸時代の古い様式や手法が多く継承されています。
また、間口約17メートル、奥行約14メートルという、間口に対して奥行の長い特徴のある敷地に主屋1棟、付属屋2棟、土蔵1棟、もと醸造所1棟が建っていて、近世「町屋」の典型的な形態が保たれています。
関本勘兵衛家住宅は、所有者である関本家の希望により一般公開されています。入館料は無料となっていますので、ぜひご覧ください。
日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。