広報ひゅうが平成28(2016)年7月号

海へと還るアカウミガメ


メスは1回の産卵で50〜130個の卵を産みます


 宮崎県内の海岸では、毎年5月から8月にかけてアカウミガメが産卵に訪れます。
 県内では、宮崎市や日南市などと並び、本市も代表的な産卵地となっていますが、近年は、絶滅のおそれがあるとして、環境省のレッドデータブックにも掲載され、本市でも保護に取り組んでいます。
 アカウミガメは、カニなどの甲殻類や貝類を殻ごと食べる強い願を持つため頭が大きく、甲羅にフジツボなどの付着物が多いなどの特徴があります。
 本市では、昭和63(1988)年から有志による上陸・産卵調査が開始され、平成15(2003)年に市の天然記念物に指定されて以降は、産卵時期を迎えると、市のアカウミガメ研究会が、毎朝、海岸を調査しています。
 昨年は、伊勢ヶ浜・鵜戸の瀬・お倉ヶ浜・金ヶ浜・美々津海岸の5箇所に、33頭が上陸し、うち2頭が産卵。ピンポン玉大の卵はおよそ2ヶ月でかえり、卵から産まれた6センチメートル程の子ガメは、一斉に海へ向かって歩いていきます。
 産卵もふ化も、暑さや外敵から身を守るため、夜間にみられます。
 このため、夜間に砂浜が明るいと、メスは産卵を諦めて海に戻ったり、産まれたばかりの子ガメも、明るい光で海の方向を見失い、海に辿り着けないまま、外敵に食べられてしまうことがあります。
 皆さんも上陸したアカウミガメや、海に向かう子ガメを見つけたとしても、カメラのフラッシュなどの光を絶対に向けないようにしてください。
 今年の初産卵は5月30日に確認されました。子ガメは7月下旬頃にふ化し、旅立っていく見込みです。


日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。

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