広報ひゅうが平成20(2008)年7月号
福瀬神社のハナガガシ

ハナガガシ
福瀬地区にある福瀬小学校の南側に、こんもりとした鎮守の森があります。
市道そばに立つ鳥居をくぐって階段を登ると正面に福瀬神社がどっしりと鎮座しています。福瀬神社は別名白鳥大明神ともいい、日本武尊(やまとたけるのみこと)を祭神としています。
福瀬の地は日本武尊が熊襲征伐の際に通過した場所とされ、いたる所に武尊にちなんだ話が伝わっています。
福瀬という地名も武尊が「此ノ地永久二豊穣ノ地タレ」と称せられてついた地名だといわれています。
市の無形民俗文化財に指定される福瀬臼太鼓では、かつては「道ゆき」と称して尊が通った道を通って踊る慣わしであったようです。
境内の奥の方へ進むと一門氏神の小さな社が5社あり、そこを通り抜けると「福瀬神社のハナガガシ」として市の天然記念物(平成21(2009)年3月県指定文化財指定)に指定する巨木が待ち受けています。
この種のものとしては世界最大といわれ、樹高約40m、幹周約5.3m、推定樹齢が300年とされています。
3百年前というと東郷町で山陰百姓逃散一揆が起こったころになります。
平成15(2003)年に西都市で行われた第55回全国植樹祭では、天皇陛下がこのハナガガシのドングリをお手蒔きされ、大変有名にもなりました。
ハナガガシはブナ科コナラ属アカガシ亜属に分類される常緑広葉樹で、葉が長い樫という意味でハナガガシと命名されています。四国南西部や九州中南部といった温暖な地域の谷沿いに分布が限られる希少種で、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧種にも指定されています。
神々が鎮座するこのハナガガシの森を訪れて、森林浴を楽しみながら悠久の時を感じては如何でしょうか。
日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。