広報ひゅうが令和4(2022)年6月号
アカウミガメとその産卵地

海へ泳ぎ出す直前の子ガメ
本市を代表するサーフスポットであるお倉ヶ浜や金ヶ浜は、5月から8月にかけ、アカウミガメが上陸・産卵する繁殖地にもなっています。平成29(2017)年にはアカウミガメとその産卵地(お倉ヶ浜、金ヶ浜)が県指定天然記念物に指定されています。
アカウミガメの産卵は、主に日没から夜半の時間帯に行われます。砂浜に上陸した親ガメは、砂浜に50〜60pの穴を掘り、直径4pほどの卵を100個程度産み落します。そして、卵に砂を被せて海に戻っていきます。その後、卵は太陽の熱で温められ50日から75日程度で孵化します。孵化が始まると卵が割れた隙間に砂が落ち、地表面が陥没する兆候を確認できます。
孵化後、海に出た子ガメの外洋での生態はまだ詳しくわかっていませんが、太平洋を横断しカリフォルニア半島の沖合で10年以上かけて成長し、再び太平洋を横断し日本沿岸に戻ってくるとされます。
本市では5月から9月にかけ、日向市アカウミガメ研究会の会員が、毎朝、海岸を歩き、上陸や産卵、孵化の有無を調査しています。昨年度は9回の親ガメの上陸、そのうち8回で産卵を確認しています。直近10年間では平成24(2012)年に上陸137回、産卵38回が最も多く、その後は減少傾向が続いており、さらなる減少が心配されます。
アカウミガメを始め、絶滅の恐れのある動植物を守るためにも海洋ごみや温暖化問題対策の取り組みを一人ひとりが意識して行動していきたいものです。
※日向市アカウミガメ研究会では、一緒に調査・保護活動を行う方を募集しています。興味のある方は文化財係までご連絡ください。
日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。