広報ひゅうが令和2(2020)年11月号

坪谷・仲深の眼鏡橋


西ノ内川に架かる野々崎眼鏡橋


 市中心部から牧水公園方面進んで行くと、旧坪谷中学校の側に石橋が架かっています。野々崎眼鏡橋です。そこから南郷(美郷町)方面に進み、坪谷小学校を過ぎて間もなく、坪谷本村眼鏡橋があります。さらに1.6キロメートルほど進むと宮崎交通瀬平バス停側に瀬戸眼鏡橋が架かっています。
 いずれの橋も明治44(1911)年に架けられたと伝えられています。橋が架かる2年前の8月、東郷町域では暴風雨により木製の橋のほとんどが流され、住民の移動や物資の輸送に困っていました。そこで、坪谷出身で当時県議会議員として活躍していた矢野力治氏が復旧に尽力し、洪水でも簡単には流されない頑丈な石橋に架け替えられました。
 3橋とも単眼のアーチ橋で、石の角や面を整え、目地が水平になるように積み上げていく「水平積み(平行積み)」の工法で築かれています。
 現在は、道路拡張や直線化などにより近代的な橋が架けられるなど国道446号線の整備が進み、3橋の利用は少なくなっていますが、建造から100年以上経った現在でも現役の橋として活躍しています。
 これらの橋は全て市の指定文化財であり、市内で文化財の指定を受けている石橋は他に富高川に架かる3連アーチの本谷昭和橋があります。
 市内には、交通量の増加に伴う道路拡張工事などにより姿を消した石橋もありますが、今回紹介した指定文化財以外の石橋も残されています。一見して石橋とわかるものから、コンクリートやアスファルトで覆われ、一部しか見ることができないものもあります。
 私たちの交通を支える美しいアーチの眼鏡橋を探しに、出かけてみてはいかがでしょうか。


日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。

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