広報ひゅうが令和元(2019)年7月号

日向・門川の柱状節理@


馬ヶ背の断崖絶壁


 今月から数回に分けて、日向市の馬ヶ背や門川町の枇榔島に代表される柱状節理について紹介します。
 人類が誕生するはるか昔、地球上で次々と火山活動が起こっていた頃のこと。約1500万年前、宮崎県は数回にわたって大規模な噴火に見舞われました。やがて平静が訪れた時、各所には角張った柱のような形の岩が残されます。火砕流やマグマが冷えるときに収縮し、垂直な方向に割れ目が生じてできあがった、柱状節理と呼ばれるものです。

 日向・門川の海岸では、溶結凝灰岩などからなる柱状節理が約40キロメートルにわたって様々な表情を見せています。これは、柱状節理が作り出した国内の景観の中でも最大規模を誇ります。
 日向岬随一の景勝地・馬ヶ背は、節理の割れ目が波に削られ谷を形成した所です。モーセが海を割ったように岩が左右にパックリ割け、壁の表面に無数の節理が現れています。50メートル真下をのぞき込むと目に飛び込んでくる、垂直な柱状節理にぶつかって砕け散る白波・・・スルリと落ちて飲み込まれそうな感覚になります。
 遊歩道を辿り岬の最先端まで進むと、正面にははるかな水平線と穏やかな太平洋が、左右には陸に沿って節理がびっしりと隙間なく続くこの地域ならではの景観が広がります。この柱状節理は、時代によって生き物の営みに様々な形で関わってきました。
 次号から、原始から現代にいたるまでの人々と柱状節理の関わりについて紹介していきます。


日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。

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