広報ひゅうが平成30(2018)年1月号

国登録有形文化財へ、日本最古の験潮場建屋「細島験潮場」


日本最古の建屋「細島験潮場」


 細島の町並みを抜けて御鉾ヶ浦に向かう途中に、細島験潮場があります。これは、国内で潮位観測が開始された明治時代に、旧陸軍陸地測量部によって設置されたものです。国内では、石川県の輪島験潮場の次に歴史のあるものですが、輪島験潮場は昭和5年に移転しているため、建物としては細島験潮場が国内で最も古いものになります。
 明治20(1887)年の建設時は、れんが造りの建物でしたが、これを昭和期に改修。当時、漆喰を使用した白い建物であった名残りを、同験潮場の瓦で見ることができます。
 また、扉の上部に残る星のマークは、旧陸軍の管轄であった証です。建物の基礎部分は石積みとなっていますが、建設当時から改修した形跡はありません。
 同験潮場では、国土交通省国土地理院の管理のもと現在も潮位が観測されています。
 建物内部は、前室と観測室の2部屋に分かれていて、観測室には海につながる井戸があります。
 その井戸の上部に取り付けられている験潮儀が、浮標の動きで潮位を測る仕組みになっています。
 平成20(2008)年1月、国の文化審議会が細島検潮場を「有形文化財(建造物)」とするよう答申があり、近く正式に登録される見通しとなりました。同験潮場が建てられてから120年余りが経過しましたが、歴史を語り継ぎ、建物を永く後世に残していくことは、地域に住む私たちの使命といえるでしょう。


日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。

目次へ戻る