広報ひゅうが平成29(2017)年4月号

美々津重要伝統的建造物群保存地区


美々津にある日向市歴史民俗資料館


 美々津は古い歴史をもつ港町で、中世末期(西暦1300年頃)には集落が営まれていたと考えられています。港は天然の良港として賑わいをみせ、江戸時代には高鍋藩の重要港として藩主が参勤交代にも利用していました。
 明治になると廻船業がさらに繁盛し、「美々津千軒」と呼ばれるほど町家が建ち並びますが、鉄道や道路の整備で物流に変化が生じると、その繁栄も陰りを見せることになります。
 こうした町の歴史は、美々津に数多くの伝統的な建造物を生み出しました。昭和58年に市指定文化財「廻船問屋「河内屋」跡」が日向市歴史民俗資料館として開館すると、伝統的な建造物を後世に残そうという機運が高まり、昭和6年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。現在、伝統的な建造物は95棟あります。
 また、港から南に延びる3本の道路や、それらと交わる「ツキヌケ」と呼ばれる大通りは、江戸時代に整備され、石畳などとともに、美々津の歴史的景観を構成する重要な要素となっています。「周辺の豊かな自然環境とともに歴史的な港町として価値が高い」と評価を受けているところです。
 町家の保存修理が進み、優れた町並みの景観が形成されるにつれ、来訪客も多くなり、今では日向を代表する観光名所となりました。
 平成28(2016)年12月には、伝建地区選定30周年記念事業を開催、多くの人が美々津を訪れ、その魅力を感じる機会になったのではないかと思います。皆さんもぜひ一度、美々津の町並みを見にお越しください。


日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。

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