広報ひゅうが平成28(2016)年10月号
細島の妙国寺庭園

仏教の世界を表現していると言われる妙国寺庭園
妙国寺は、日蓮宗のお寺で、室町時代初期の1342年に、日向国を拠点に仏教を広める活動をしていた日叡上人(1309〜1369)が開山したと言われています。
庭園が造られた時期については、いくつかの説がありますが、いずれにしても、寺全体の造りに中世以来の伝統が色濃く残っています。
昭和8(1933)年に国指定の文化財に指定され、現在でも県内唯一の国指定文化財の庭園です。庭園は、背後にそびえる米ノ山の岩盤や木々などの自然景観をたくみに利用し、池や橋などを加えることで、仏教の世界を表現しているとも言われています。
庭園は、明治元(1868)年、昭和48(1973)年と55(1980)年、平成11(1999)年に修繕されていますが、自然災害や動植物による影響などにより、老朽化が著しい状態が続くこともありました。
現代の工法で修繕すれば、より頑丈に補強することができますが、それでは、古くから受け継がれてきた庭の景観を壊してしまいます。
さらに、水の流れを利用した庭園であるため、特に管理が難しく、多くの人々が庭の状態を維持するのに心を悩ませてきました。
市では、庭園をできるだけ国指定文化財に指定された当時の姿に戻すため、現在、保存と活用の計画を立てています。時間はかかりますが、再び皆さんに美しい庭園を鑑賞してもらえるように、事業を進めているところです。
ご理解、ご協力をよろしくお願いします。
日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。