広報ひゅうが平成18(2006)年8月号
古城ヶ鼻の古墳

富高古墳1号墳
最初は、古城ヶ鼻の古墳を訪ねてみることにしましょう。
富島小学校の正門前から春原町に向かって300メートルほど行くと、右手に若宮神社の石段と鳥居が見えてきす。そこを登ると正面に小高い丘があって、頂上に社殿が建てられていますが、この丘が県指定史跡の「富高1号古墳」です。
つぎに、社殿の前に立って南の方を見ると、こんもりとした雑木林が目に入ります。この林も「富高2号古墳」と呼ばれる県指定の史跡です。この富高2号古墳は、大正時代に発掘されて鎧や刀、鏡などが出土しましたが、現在、これらの出土品は東京の国立博物館で大事に保管されています。
また、これらの古墳の北西には県営住宅が立ち並んでいますが、団地の北にも「鈴鏡塚」と呼ばれる円墳があります。鈴鏡塚古墳では、昭和29年に学術調査が行われて、勾玉や刀、それに砥石や鏡などが発見されています。
中でも、鏡は、全国でも数少ない「八鈴鏡」と呼ばれるものでした。
鈴鏡塚古墳の出土品は、宮崎県総合博物館に展示されていますので、一度見学に行かれるといいでしょう。
ところで、これらの古墳に葬られている人たちは、いまから1400年ほど前に活躍した有力者や、その子孫ではないかと考えられています。
私たちは、古代の人たちが残した古墳を調査することで、当時の社会のしくみや庶民の暮らしぶりなど、たくさんのことを知ることができますが、同時に私たちの子孫にもそういったことを学んでもらうための機会を残しておきたいものです。
日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。