広報ひゅうが平成24(2012)年3月号

岩脇「馬溝の眼鏡橋」


馬満の眼鏡橋は、明治18年完成


 平岩ふれあい館の前から、国道10号を南に向かって5分ほど歩くと、道の下を小さな川が流れていることに気づきます。
 ここには、欄干こそありませんが立派な橋が架かっています。しかもこの橋の下をのぞいてみるとびっくりすることでしょう。なんとこの橋は、石積みのアーチ橋なのです。
 じつは、この橋は馬溝橋と呼ばれ、今から127年も前の明治18(1885)年に完成したものです。残されている当時の記録によると、架橋の発案者は田辺輝実(てるざね)県知事、施工担当者は窪井東長(つぼいとうちょう)という人物で、現場事務所は幸脇に置かれていたようです。
 そして馬溝橋と同じように、幸脇の深い谷川にも石橋が架けられたことが知られています。
 この幸脇の石橋は、タブ峠の国道10号「眼鏡橋」バス停から少し西に入った旧国道の入り口に今も残っていますが、今では下流側が埋め立てられています。
 馬溝橋の場合も、国道工事の際に手を加えられていますので昔のままの姿で残っているとは言えないのですが、一連の見事なアーチの石組みは、時を経た今でも、十分観察することができます。
 使われている石材は、阿蘇山の火山灰が凝固したもので、俗に灰石と呼ばれているものです。その灰石を25センチメートル角の長さ4525センチメートルの切り石したものが力学的に組合せられていて、アーチの高さは3メートル、幅は5メートルほどの大きさです。
 明治・大正・昭和・平成の長きにわたり、揺らぐことなく役割を果たしてきた馬溝の眼鏡橋。
 これからも、私たちの暮らしに欠かせない、車や人の流れを支え続けていくことでしょう。

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