広報ひゅうが令和6(2024)年6月号
アカウミガメとその産卵地

絶滅危惧種のアカウミガメ
少しづつ暖かくなり、海に行く方も増えていくことと思います。砂浜に目を凝らすと、アカウミガメの上陸や産卵・帰海に伴う足跡を見つけることができるかもしれません。
アカウミガメは爬虫類カメ目ウミガメ科の動物で、頭部は硬い甲殼類や貝類をかみ砕くために大きく発達し、甲羅にはフジツボ等の付着生物が多く見られるなどの特徴を持ちます。「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」として環境省レッドリスト絶滅危惧TB類に登録されており、国際的にも保護の気運が高まっています。
日向市では、お倉ヶ浜、金ヶ浜を中心に上陸・産卵が見られます。これらは5〜8月にかけ、主に日没から夜間に行われます。
上陸した親ガメは砂浜に50センチメートル程の穴を掘り、ピンポン玉大の卵を100個ほど産み落とします。その後、卵に砂をかぶせ、海に帰ります。この時、頭の良いカメは卵が食べられることを防ぐため、ダミーの卵巣を作ることもあるようです。卵は太陽の熱で温められ、50日から75日程度で孵化し、子ガメたちは海を目指して歩き出します。
本市では、日向市アカウミガメ研究会の会員が毎朝海岸を歩き、上陸、産卵、孵化の有無について記録を行っています。昨年度は4回の上陸のうち、9回で産卵が確認されました。これは2000年以降2番目に少ない上陸・産卵回数です。
産卵・帰海に影響を与えると考えられている車両などの灯りや、厳による砂浜の変形を防ぐため、夜間の浜では灯りを消す、車両での乗り入れを控えるなど、ご協力をお願いします。