広報ひゅうが令和6(2024)年2月号

カーチス式飛行機発動観覧会


昭和16年頃の富高小


 飛行機(有人・動力機付き)の初飛行は、アメリカのライト兄弟が1903年3月に行ったものとされています。
 日本での初飛行は、明治16(1910)年12月15日、東京・代々木練兵場において、陸軍の飛行演習で実現しています。この時の機体は、フランスで購入したアンリ・ファルマン式飛行機と呼ばれるものでした。
 本市には戦前、海軍の富高飛行場があったため、飛行訓練や特攻隊の中継基地として軍用の飛行機が飛行する時代もありました。
 富高飛行場の建設は昭和4(1929)年に始まっていますが、これ以前に、本市には飛行機が飛来しています。それは大正5(1916)年9月6日の事です。9月8日付けの日州新聞にはこの時の記事が掲載されています。
 6日、富高小学校(当時は本町の旧警察署跡にあった)の校庭でカーチス式飛行機発動観覧会が開催されました。初めて飛来した飛行機は人々の大変な関心を集め、細島、平岩、美々津、山陰などから児童3000人、一般観覧者1000人もの大観衆が見物に訪れたとあります。
 各地から集まった大観衆を前に、飛行会主事の田中氏は機体の説明の後、プロペラを回転させる様子などを見せています。
 また、この観覧会は翌日も行われ、坪谷小学校などの遠方の人々は6日夜から泊りがけで見物に訪れていたとも記事には書かれています。
 この時飛来した飛行機は、アメリカのグレン・カーチスの設立した会社で製造されたものです。グレン・カーチスは、オートバイのエンジン開発で名を上げ、1908年に飛行を成功させています。

目次へ戻る