広報ひゅうが令和3(2021)年11月号
神楽と白太鼓踊り

坪谷神楽
秋の実りの季節になると、各地の神社でお祭りがあり、なかには神楽や白太鼓踊りが行われるところもあります。
明治18(1885)年、坪谷で生まれた若山牧水は「おもひでの記」で 「鎮守の祭は霜月の末、もうかなり寒い頃であった。鎮守の社と順番に当った或る一部落とに祭礼所が設けられてその二ヶ所で神楽があった。(中略)尚ほ夢中になって踊っている神楽の若者達が振り廻す白刃の光も神々しく眼に映った。昼はまた神楽のほかに白太鼓といふ舞踏が演ぜられた」と、少年時代の坪谷での思い出を記しています。
坪谷を始め東郷町域の神楽の多くは、高鍋神楽(比木神楽)の影響を受けているとされます。これには師走祭りが関係しています。かつての師走祭りは9泊10日の日程で行われ、 比木神社(木城町)を出発した一行は、 徒歩で移動しながら道中の各所で神楽を舞っていたことによります。
また、坪谷白太鼓踊りは、ただの踊りの集団と見せかけ不意打ちをかける踊りとされます。東郷町域には、祝いの陣で凱旋をかたどった踊りという鶴野内のほか、福瀬、迫野内地区にも特色ある踊りが伝わっています。
コロナ禍で制限もありますが、機会があれば、伝統文化を見学をしてみてはいかがでしょうか。
日向市文化財の番号66から78で紹介しています。ご覧ください。