広報ひゅうが平成30(2018)年5月号
恋する灯台にも認定 細島灯台

日本ロマンチスト協会&日本財団 恋する灯台プロジェクト
国の天然記念物となった「日向岬の柱状節理」のすぐ近くに、細島灯台はあります。
現在の灯台は3代目で、初代の灯台は、明治43(1910)年5月10日に宮崎県によって設置されました。
宮崎県文書センターに残されている当時の文書を見ると、「(細島港は)岩礁ノ散在スルモノ多ク、夜間汽船ノ出入上危険」とあり、柱状節理の岩礁を避けるために灯台が設置されたことが分かりました。
このときの灯台は六角形で、石材・煉瓦・木材・鉄板を組み合わせたものでした。
ところが、初代の灯台は油を使用して点灯していたことから、建てられてから12日後、夜間に火災が発生し燃えてしまったため、同じ年の12月に2代目の灯台が設置されています。
そして、3代目の灯台は国に移管された昭和16(1941)年に建設されました。戦時中のことで、予算や物資の不足などから、地元の青年団員らが工事に携わり、完成したようです。
その後、平成3(1991)年の改修工事に合わせて敷地が公園化され、一般開放されるに至っています。
昨年「恋する灯台」に認定されたこともあり、海上安全のための施設であると同時に、大切な人と美しい景色や静かな時間を楽しむ場所としても愛されるようになりました。建物が持つ歴史とともに、この美しい景観を永く残していきたいものです。