広報ひゅうが平成30(2018)年4月号

永田のひょっとこ踊り


永田地区集落センターにて


 日向市三大祭りとして知られている「日向ひょっとこ夏祭り」。赤い衣装に、愛嬌ある表情のひょっとこ面は、それだけでインパクトがあります。
 さらに、笛・鉦(かね)・太鼓のリズムに合わせた滑稽な踊りは、観る人みんなを笑顔にします。
 夏の暑さを楽しむかのように、全国から参加者が集まり、今や宮崎を代表する祭りとなりました。
 ひょっとこ踊りの起源は、明治時代、眼科医の橘公行(たちばなきみゆき)が、江戸の里神楽の中からひょっとこやおかめの登場する「もどき」と呼ばれる芸能を見て、後に病院を開業した塩見永田の地で踊ったのが始まりであるとされています。
 この踊りは「橘ひょっとこ踊り保存会」が伝承し、平成4(1992)年には、市の無形民俗文化財に指定されました。永田地区では、毎年2月の初午の日に合わせて、保存会による踊りが奉納されています。
 今年は2月18日に催され、特別に永田地区に伝わる古い面が展示されました。ひょっとこ、おかめ、キツネには、いずれも同じ焼印があり同じ作者であることがうかがえます。作者は、明治から昭和にかけて活躍した東京の面師の羽生光長(はにゅうみつなが)で、焼印の形状から昭和初期の作品であると推定されます。
 ひょっとこの面は肌色で、素朴な表情ながらもどこかとぼけており、味わい深さがあります。
 展示されたもの以外にも羽生作の面が2面伝わっており、保存会の方に愛用されていました。
 来年度の奉納の際にはどの面が羽生の作品か探してみるのも面白いかもしれませんね。


日向市文化財でも紹介しています。ご覧ください。

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