広報ひゅうが平成29(2017)年10月号
日向にまつわる十五夜行事

10月に開催される十五夜祭
幕末の安政年間(1855〜60)に書かれた「御料発端其外旧記」を読むと、今も残る年中行事について、月ごとにまとめられています。その中から、今月は十五夜に関するものを紹介します。
十五夜は旧暦8月15日、または中秋の名月の頃にある年中行事で、芸能系と祈願系という2つの分類に分けられます。
まず芸能系の十五夜行事としては、十五夜の日に「十五夜踊り」と呼ばれる太鼓踊りがあり、椎葉村や児湯郡の各地に伝わっています。
祈願系の十五夜踊りは、長雨で橋が流れたり、堤防が決壊したりしないよう水神さまに祈願するものですが、変わり種の年中行事として、「十五夜相撲」や「十五夜綱引き」があります。
「十五夜相撲」は集落対抗であるのが基本で、「十五夜綱引き」は、縄を引き合い、勝った方が豊作、負けた方は平年並みの収量とされる一種の占いでした。どちらも、その年の収穫の吉兆を占うもので、今から30年ほど前までは、美々津町の別府地区で、「十五夜綱引き」をしていました。
今年は、10月7日〜8日に県北三大祭りの一つ、日向十五夜祭が開催されます。「御料発端其外旧記」によると「この祭りは8月の行事の中で最も大きい富高八幡神社の祭礼で、手踊り、見立て細工で賑わう」と書かれていますので、遅くとも幕末にはすでに、踊りと見立て細工の見世物が披露されていたことがわかります。今年の十五夜祭も楽しみですね。