所在地 / 美々津町 別府区
指定年月日 / 平成4(1992)年12月01日
別府(びゅう)は、日向市美々津重要伝統的建造物群保存地区の西に接する集落で、石垣によって区画された江戸時代以来の道が現在も残っています。
この供養盆踊りは、幕末から明治期にかけて近畿地方で大流行した「江州(ごうしゅう)音頭」の系統に属するもので、音頭には、加賀見山、富吉、伊勢の亀山、炭焼小五郎など12口説きが伝えられています。振りにも5種類のバリエーションがあり、かつて千石船を操って瀬戸内海を行き来した美々津商人らが持ち込んできたものと考えられます。
この盆踊りは、初盆の家を一軒ずつまわりながら踊り、先祖の霊や遺族の心を慰めるものです。衣装について、かつては浴衣がけだったといいますが、現在は特に制限はなく、白を基調としたものであればシャツやズボンでも構わないといいます。頭には網笠を目深めにかむり手拭で口を隠すのが特徴です。太鼓打ちと音頭取りが各1人と、男女を交えた20人ほどの踊り手で構成され、4列縦隊になって踊るのが本来の姿であるといいます。「打ち込み」と呼ばれる音頭と踊りに始まり、その場の雰囲気に合わせて音頭や踊りを変え、最後に「打ち上げ」の音頭と踊りで約20分の踊りをしめます。こうした特徴や伝統が評価されて、昭和55年度の九州地区民俗芸能大会には県代表として出演しましたが、近年後継者不足が危惧されてきたことにより、将来的な保存・継承を支援するため、文化財の指定が行われました。
≪刊行報告書≫
・『日向市民俗芸能緊急調査報告書 別府の供養盆踊り 永田のひょっとこ踊り』1992、日向市教育委員会
所有者 / 別府区
整理番号 / 79