日向市文化財

市指定文化財

有形文化財(彫刻) 『木造地蔵菩薩坐像』一体


Warning: getimagesize(photo/mokuzoujizoubosatu.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: No such file or directory in /home/nico2-hyuga/public_html/bunkazai/browse.php on line 45

所在地 / 日向市大字塩見2393番地
指定年月日 / 平成13年2月26日

 本像は水月寺に所在する仏像である。水月寺は曹洞宗の名刹で寛文5年(1665)に開基されている。本像は高さ101cmで、材質は桧である。頭部は前後二材を組み合わせ、中を刳りぬいている。首に柄があり胴体に組み込むようになっており、水晶の玉眼と白毫を嵌入している。体部も前後二材を組み合わせ中を刳りぬいており、両手は一材から彫り出したものを短柄で胴体に組み込み、膝前も横一材の中を刳りぬき衣の裾に組み込む本格的な構造となっている。
 平成12年に所有者による修理を受け彩色等が施されているが、全体の均整がとれ、衣の文様の彫り、仕上げともに流麗かつ丁寧で背面処理も抜かりがない。頭部と体部の構造や衣の文様、持物、印相に至るまでしっかりとした仏像の知識に支えられた上で「地蔵菩薩」の尊像を表現しており、技術的にも優れた作品である。作者は不明であるが、丸みを帯びた頭部の緩い波形や玉眼・白毫の嵌入、瞼・頬・顎の肉厚、大きく衣を開く胸腹部、三道を刻む首、衣の緩やかなうねりと深い刻みによって慈悲の相を表現する全体の意匠と彫刻技術は中世半ばの仏像の特徴を示している。

インデックスへ戻る