文字の大きさ

ライフシーンで探す

悩み・相談

更新日:2021年3月24日

1.空き家問題とは何か?

◇ 空き家問題とは

 -家はきっと、こどもが受け継いでくれる-

 -来客用の住宅として活用したい-

 -思い出があるからずっと大事にしたい-

 -いつかきちんと相続手続きをすればいい-

 -仏壇があるから他人に入ってほしくない-

 空き家の所有者・管理者がこのように考えることは、珍しいことではありません。

 しかし、高齢化や人口減少を背景に空き家は全国的に増加しています。社会的な関心が高まる中、日向市でも空き家は増加していくと想定されています。

 では、なぜ空き家が増えることが問題とされているのでしょうか?

 そして、私たちの生活にどう関わってくるのでしょうか?

◇ 近隣への悪影響

 空き家が私たちの生活に関わるときは、必ず空き家の放置という状況が発生しています。

 実際に空き家について市に寄せられた相談の一部を見てみましょう。

 -蜂が危ないし蚊も多くて生活できません-

 -大量の草木が自分の土地まで伸びて困っています-

 -今にも壊れそうで・・・通学路なのでこどもが心配です-

 -雨の後に変な臭いがします-

 -台風の時に瓦が落ちてきそうで怖いです-

 いずれも管理されずに放置された空き家の近隣住民の方からの相談でした。

 端的に言うと、空き家の問題とは、空き家の放置を原因として発生した近隣への悪影響のことです。空き家が増えればそれだけ放置される空き家も増える可能性が広がるということで、現に、放置された空き家により相談の内容のような被害が多発しており、いつ私たちの生活に関わってきてもおかしくない実態があります。

 だからこそ、社会的な関心が高まっているのです。

◇ 空き家の所有者

 放置された空き家の近隣住民が直接的に被害を受ける一方で、空き家の所有者側は、概ね3つの問題を抱えることになります。

 第1に、管理責任の問題です。空き家を原因とした被害者から、民事において提訴される可能性があります。具体的には空き家に巣を作ったスズメバチによる被害や空き家倒壊による事故などは、空き家の所有者の管理責任が問われます。

 第2に、処分の問題です。空き家を長期間放置すると空き家の状態は確実に悪化し、売却価値が下がるだけでなく、買い手さえつかなくなる可能性があります。補修のための経費も増えますし、更地にして売却するにしても、家財等があれば、処分する費用がかかります。

 第3に、親族に迷惑がかかるという問題です。空き家の問題を放置したまま所有者が亡くなってしまうと、その責任はそのまま相続人に引き継がれてしまいます。相続放棄をしても民法上は管理者が決まるまで責任は残るとされています。

 空き家の問題は、空き家の所有者だけで完結する問題ではないのです。

 問題のある放置された空き家は所有者が既に亡くなっていることが多いため、市では管理義務者となる法定相続人※を対象に、空き家の状況の改善を依頼しています。

  ※ 本人から見た配偶者や直系のこども系列、直系の両親系列、兄弟姉妹のこと

 しかしながら、遠方に住んでいたり、遠縁であったり、解体費用が賄えなかったり、相続人の一部が行方不明であったりと、当事者側の課題も複雑です。空き家の存在自体を知らないこともあります。こうした様々な事情から、管理義務者の居所調査や対応の交渉が難航することが多々あり、解決までに時間を要しています。

◇ 身近な問題として

 「空き家問題」は、空き家が存在する限り、いつ誰でも、被害者にも当時者にもなりうる身近な問題です。平穏に過ごしていたはずが、いつの間にか放置された空き家に生活を脅かされることもあります。一切関わりのなかった空き家の管理義務を背負い、問題に対処しなくてはならなくなることもあります。
 こうした状況を事前に防ぐことができるのは、空き家の所有者とその家族です。
 自分や家族の家が空き家になった時にどうするのか、事前に相談し、対処しておくことが、最も重要です

担当課 建設部 建築住宅課
所在地 〒883-8555 宮崎県日向市本町10番5号
電話 0982-66-1032(直通)
FAX 0982-54-2639
メール kenchiku@hyugacity.jp