日向市文化財

市指定文化財

無形民俗文化財(民俗芸能) 永田のひょっとこ踊り

所在地 / 日向市大字塩見永田地区
指定年月日 / 平成4年12月1日

 ひょっとこ踊りは、明治時代末期に永田で眼科医を開業していた橘公行が江戸の里神楽をアレンジし、広めたもので笛と太鼓、それに鉦の織り成す軽快なリズムにのって陽気に踊るまさに「日向」の名にふさわしい明るく健康的な大衆芸能である。踊りの構成は、笛・太鼓・鉦の拍子方が各1人で、踊り手もキツネとヒョットコ、それにオカメが1人づつ、他に10人ほどの若衆と最後に「箒踊り」を舞う男が1人おり、それぞれの役目に応じた面と赤着物に白帯、それに白足袋の姿で豆しぼりの手拭をかむる。またヒョットコや若衆は、ステテコを履き褌をしめ、拍子に合わせてキツネ、オカメ、ヒョットコ、若衆の順に登場して皆で円形に組み踊る。箒踊りは、一連の踊りが仕舞えた後に箒を持って登場し、その場を掃き清める役割を担っている。
 もっとも一般に知られるひょっとこ踊りは、こっけいな芸態だけが強調され、その結果、本来の姿からかけ離れた踊りが市はもとより県内外にも波及して、各地に「連」と呼ばれる愛好家のグループができているが、永田のものは初午の縁日に区の稲荷神社に奉納することを目的にしているもので、正統な里神楽の系列に属する民俗芸能であり、橘氏が持ち込んだ本来の踊りを永く保存するため文化財の指定が行われたものである。

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