日向市文化財

県指定文化財

無形文化財(工芸技術) 美々津手漉き和紙

所在地 / 日向市美々津町2703番地 佐々木寛治郎
指定年月日 / 平成16年9月24日

 南九州では古くから製紙原料が豊富であり、和紙作りが盛んであった。美々津和紙は江戸時代に60戸、戦前まで40〜50戸と盛んであったが、機械製法におされて、現在では佐々木さん一人となっている。佐々木さんの紙漉きは「和紙処佐々木国吉」の称号をもつ父国吉からの技術伝承で、土佐和紙の影響を受けていると思われる。
 製品の年間生産量は、雅仙紙2万枚、習字用紙2000枚、工業用紙2000枚、他に懐紙、名刺、和綴じノート、便箋、葉書、暖簾なども製品として作られている。和紙の素材として、楮、三椏、雁皮が使用されている。糊は卯木の皮をはぎ、アワ皮を削り溶かして作る。素材はすべて自前で調達しており、中でも楮の自生は全国的にもめずらしい。
 他に宮崎県内をみても、現在、紙を漉いているのは佐々木さん一人となっている。次女が後継者となり佐々木さんに師事、修行中である。
 昭和60年に「宮崎県伝統工芸品」の指定を受け、昭和63年に「宮崎県伝統工芸士」の認定を受ける。平成5年には「日向市文化賞(技術部門)」を受賞。

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